2006年1月6日金曜日

京都でお誂え。

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こんなにうっとりなことってあるだろうか。
私はよくあるんだけど。

京都で初のおあつらえ。
ずーっとずーっと、前から欲しかった、木版画絵の和紙で作った文庫。
去年の暮れにオーダーした物が今日届いた。

京都三条さくら井屋さんを知ったのは、
以前見たアンティークのポストカード展。
戦争の頃進駐下の日本でアメリカ人将校がコレクションした日本のポストカード
日本の文化価値観が確信できる見事なコレクションだった。

その中でも、これも日本人の個性を独特に活かす流行となった
アールデコ。というか、それを模したデザイン画、イラストが目を惹いた。
和紙に刷られた色彩とモチーフは特徴的で、女性の線がよりせつなく映える。
それが日本人固有のテイストとして定着しつつ、だったんだと思う。

代表的な夢二の作品のなかに数少なくも一番印象に残ったのが
小林かいち という画家さんのカードだった。
女性を表現するラインがより美しく求められていて、そのくせどこか陰鬱で。
それらのカードの端に刻印されていたのが版元のさくら井屋さんだった。

 祇園三条 さくら井屋版

 とあったろうか。
京都ガイドブックかぶれだったため、その名前が現存するお店なのは
ぴんときた。出合いはそこから。
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京都へ行く度お店に入ってはいたけれど、一見すると趣が違う現在の店内。
でも要所要所にこれは、と思う版画や額が飾られている。
残念ながら目当ての小林かいち氏の絵はみられなかったけど。

その後、沼田元気著の京都スーベニイル手帖(夏秋編)で
再び文庫のオーダーと出合い、いつかはいつかはと念じ続けてた。
京都スーベニイル手帖(夏秋編)

去年の暮れに京都を訪れた際、岡本太郎を愛する連れを伴い再訪。
岡本太郎氏の版木を所有していたと噂をきいたから。
人のことだと無責任に訪ねる事ができる。
残念ながら岡本太郎氏の版木をつかったものは既に失われており
観る事は出きなかったけど、手隙だったおかあさんと話が盛り上がり、
いろいろデッドストックなどを見せて下さった。
そうして登場したのが真打ち、文庫お誂えだった。

話の流れでそこまで行き着けたのが何より嬉しかった。
あとはおかあさんの話術とすすめをここちよくいただき、
和紙の絵柄を選ぶのにまた30分以上。お連れさん、付き合ってくれてありがとう。
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大好きな色の櫻色と、さくら井屋さんにあやかり、
また、話の流れで、「わかった。あなたはこれだ」とすすめられた舞妓ちゃん柄。
着物と帯、襦袢の色柄が全部異なる手の込んだ手刷りの絵柄。
おかあさん、とっても気に入りました。ありがとう。

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手漉和紙に版画されたポストカード
朱と藍のパワーにひと目惚れで一緒に購入。
舞妓ちゃんの首筋がまた、愛おしい。

さくら井屋
京都市中京区三条通り河原町西入ル
11:00 ~ 20:30