2006年3月30日木曜日

大阪は、モダン古書展へ。

第二回目で我慢できず大阪。
解散してしまったペヨトル工房の在庫を引き受けたクライン文庫さんが過去に一度買い物をしただけなのに毎回古書展の目録を送って下さる。
関西の書店さんなので京都や大阪が開催地。それをいつもじと~っと眺めてたわけだけど、今回はぎりぎり10日前に決断。色々理由をくっつけて。

目当ての一つはアンティークのポストカード。
明治から大正の西洋モダンに傾倒したデザインもの。
バラのポストカードが小箱の中にぎっしり立てて入れられてる。それがどっさり。
会場に入ってすぐにそれが目に入ったからもうそっちからやっつけないと。
結局私より先にいらしたお母さんと並んで2時間、一枚一枚めくって。
ほとんどが温泉地や観光地、お寺などの風景画の中、これだけゲット。

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かなりの満足度。我ながら頑張った。

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アールデコのデザインを模倣しポスターなどが盛んに描かれたこの頃。西洋の画風に新進的なイメージを目論んだのか、こういったデザインの多くはほとんどがプロパガンダを目的としたもの。
女性をおもわせる風雅なデザインの内容はアジアやロシアへの進駐の成果を讃えるもの。今回入手したものでも日露戦争の南山(nanshan)攻撃の様子と荒野に鉄条網が張り巡らされただけ(南山ノ鐵条網)の写真。占領下の南山(nanshan after the occupation)とだけネームされた風景。
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この銀箔を打ち込まれ細かに施されたデザインとのアンバランスさが人の業の滑稽を今では語るようで、風化することなく残ればいいのに。と愛おしくもなる。
おそらく、美術品的にも文化価値からも大したものでは、決して無いと思うけど、人の価値観の移ろいを思うと結構面白い。平和な時代に生まれたコなりの模索でしょうね。

その後しっかり古書もあさり、関東との価値観の違いにも多少一喜一憂しつつ一時間オーバーで引き上げました。

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大満足なり。