2006年6月28日水曜日

本日の若だんな



越後土産の金平糖と記念撮影



梅雨の雲に隠れた月を憶い、うるみの盃に星をそそぐ

2006年6月24日土曜日

蕭白にぶろーくんはーとだ。

東京国立博物館テーマ別講演会「江戸時代後期の絵画」全四回の今日が最終回。
本来前期、中期、後期で区分される江戸期をあえて二分して後期とした充実した内容。
第二回の南蘋派だけは所用により参加できなかったのが、よくよく考えてみたら、
今回の特別展に先立つものとしては外してはいけなかったのか・・・と少し残念。

本日第四回は狩野博幸(Kano hiroyuki)同志社大学文化情報学部教授
元々はこの方、京博の名誉館員で、彼の京博で2000年に開催された 「若冲―没後200年―」の企画者だそう。
そこでほーっとか言ってる場合ではなかった。
昨年同じく京博での「曾我蕭白-無頼という愉悦-」、その上、2004国立科学博物館での「STARWARS SCIENCE andART」の企画者でもあると・・・。このSTARWARSの企画は科博での開催自体のハードルが高かったことを当時聞いてる。この数年博物館が面白いのは、こういった、分野を超えた企画で人に目を向けさせる発想力をもったcuratorが活躍している所為なんですね。


講演の内容は、当然楽しい進行で最後まで背筋を伸ばし聴き入るばかり。
京都の文化の風潮を福岡から京都へ入洛されたご自身でのあの都市ならではの実体験を交えつつ。
※切り出しに語られたいくつかのエピソードに連れと肩を小刻みに揺らしてうなずく。
復習がてら:
18世紀の京都の文化を背景にした絵画の傾向を大陸からの儒教思想と
その派生から受けた影響による絵師達の進化について。
明代の文学思想、儒教から派生した陽明学とその左派による論語の主張
憤りの表現をもつ曾我蕭白
その反体制が派生し、天台僧の六如(りくにょ)が見たままの情景を詠う写生詩
写実性をもって動植物や山水景を墨絵で描く応挙
そして、その遠心性:独創性、個性に一切の踏襲をもたない若冲
それぞれの観賞の手がかりとなるバックグラウンドを踏まえて、その後スライドを用いた講義となる
二部制のような展開。それぞれに集中できてよかった。

極最近発見された応挙の群鶴図屏風(京博)のすばらしいこと。今年のお正月に公開されていたそう。
本物観たい!来年の新年は京都か・・・。?。

お馴染みとなりつつある若冲の彩色画の数々もいままでとは異なる視点からの
毒舌を交えた鋭い指摘がマンネリ感を一掃させてくださり、流石さすが。
どうやら一昨日のジーコジャパンの醜態の鉾先が若冲にむいていたような気もしないでも・・・笑。
愛だなぁ〜。これも。

なにげにトリをかざったのは「蕭白」ああ、ここに思い入れのポイントあったのですね。
数々の展覧会で、立ち止まる率は確かに多かった「蕭白」だけど、なかなか突っ込む機会がなかった故に、
今回の影響は大きかった。先生の「蕭白」への愛に横恋慕するばかりだ。
ちょっと興味の方向が変わりはじめてしまいました。


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曾我蕭白
寒山拾得図屏風


大サービス級多数のスライドを絵解きされる中、
蕭白の四季山水図。
墨の濃淡により絹地の余白を使った加減で雪を冠った鳥居を描く表現を
「僕ねぇ、これを観る度、嬉しくなるんですよ」
とつぶやきしみじみ紹介されていたのがとても印象的でした。
愛だなぁ〜。

狩野先生は京都では人気だそうで、京博での講演はけっこうな人出になるそう。
東京はまだやはり出遅れてるのかな。
先週の抱一のほうが結構な人出だった。これはお江戸のせいかな。

帰りがけにミュージアムショップの書籍コーナーで、先生の著作を探していたら、
蕭白に関する講談社からの著作は取り扱いが無い上にどうやら高価らしく、
落ち着いた感じの女性の担当者が昨年の京博の蕭白展図録をお勧め下さいました。

図録は最新の画質、論評がテンコ盛りで断然お得。確かに。
さりげなくお勧めいただきましたが、大感謝です。
この後おけいこだし。。と抱えたままこまっていると、「お取り置きもしますよ」と
行って下さる。でもそのコトバで持って帰る決意。「いちごちえ」ってこのことだ。

蕭白展図録
カラー図版280頁含む400頁overの図録が2500円
しかも教授(sakamotoぢゃない)の愛と思い入れたっぷり。重量もたっぷり。
まくら元において寝ております。


目を見張る伊藤若冲の動植物絵   日本の美術(no.462)

京博のサイト内刊行物のページにてコラムもいくつか。
[よみもの]
もともと映画への傾倒が深かったとのことで「黒澤明追悼」も書かれてたり。

東京国立博物館テーマ別講演会「江戸時代後期の絵画」全四回
2006年
5/20(1)変容する江戸絵画
6/10(2)南画と南蘋派
7/17(3)抱一・其一の活動とその背景
7/24(4)18世紀京都の絵画−その遠心性と求心性−


プライスコレクション 「若冲と江戸絵画」展
平成館 2006年7月4日(火)〜8月27日(日)

2006/7/4〜8/27 東京国立博物館
2006/9/23〜11/5 京都国立近代美術館
2007/1/1〜2/25 九州国立博物館
2007/4/13〜6/10 愛知県美術館

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若冲:鳥獣花木図屏風
カリフォルニアにあるプライス邸のバスルームは
この鳥獣花木図屏風が壁面いっぱいにタイルで模してあるんだそう。
悪趣味な銭湯みたいだ。





オボエガキ:
京の酒見世

本日の視覚

柱と天井のこらぼ







当分はこんなかんじ。
紫陽花の変り咲きはここでは遅咲きですから。



とんびの子ら、未だ飛び立たず。
鳴き声はもういっぱしなのに、まだ今まで通り巣の中で餌をせがむから、
喧嘩をしているかのよう。
二羽だと思う。






2006年6月18日日曜日

本日のおハコめも

Lucy@新木場STUDIO COAST

お江戸運河まさに入り口のコーナーに陣取る新目のおハコ。
いつできたんでしょ。
新木場の駅から向かうと、真冬や風雨の日には大河に思えそうな吹きっ晒しの橋の向こうに構えてました。
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騒音や地盤の問題をものともせずに2日目。おっさん達の爆音はさらに上昇し、もはややけくそです。
10メートルくらいありそうなクレーンが2台も入り新し物好きのスタッフ達が
それは楽しそうでした。
DVD出すんだね・・・。
代官山の2日目も結構よかったっすけど・・・。

でっかいハウスでした。
お嬢さん達の足踏みで液状化現象起こらなくてよかった。[E:sad]

2006年6月14日水曜日

本日のおハコめも

Lucy代官山UNIT


代官山正面出口から、奈良県代官山iスタジオ裏手の軒下で
キュートなお嬢さんがタバコをふかすのを右目に気にしながら駒沢通りへ下る。

ハウスのデザインはおされなカフェみたい。実際カフェも併設されているけど。
ガールズルームの便器君もキュートに見える。
こぎれいなのはやはり場所柄でしょうか。

B1のロッカールーム〜カフェ,B2のホールそれぞれへの人の導線はストレスなし。
unitはバースペースからメインホール、奥の正面にステージで
メインホールの天井の高さ、
ステージの高さとソデ×奥行きの広さもよかった。

オジサマ2人の喰うか喰われるかの容赦ない爆音ギターに堪える音響設備も関心です。
ビル通りの地下でよく許されるね。あの音・・・。allのクラブイベントが定期であるようですが。
皿回しだけに使うのもったいない。

2006年6月6日火曜日

プライス・コレクションにちなんでめも。

若冲最大のコレクション上位が国内でないことは誠に残念ですが、
当のご本人は自分の絵が認められるのは千年先でもかまわないとおっしゃっていたそうなので、
それよりは700年程度?は早く気がついたので、よかったのかな・・・と。

今年に入ってから江戸後期の日本画を中心とした催しが都内でも多くなったし、
プライス・コレクションに先立つ講演会も目白押し。
どれも内容は充実したもので、変に頭でっかちにならずに切り口を見つけることが
できてるきがする。
専門家の所感とあわせて
コレクターの解説にもこれだけ触れられると、コレクションの楽しみ方も
かなり幅がでて公開の期待は堰が今にもはじけそう。でもないけど。

秋には京都国立博物館にも巡回するので、そちらでは都内よりもゆっくり見れるかなと
期待ちう。

秋といえば。
上野の森美術館でダリ回顧展が・・・。
大規模なことになりそうだよね。※おぼえがき。
グッズの危険性を考えて今から節制しなくては。
この間の藤田嗣治展での散財は1万5千円Overでございました。
思いのほかいいできだったんだよな・・・。

ダリ    藤田嗣治(つぐはる)「異邦人」の生涯

2006年6月5日月曜日

神坂雪佳展@日本橋高島屋

会期ぎりぎりせーふ。神坂雪佳展へ。

金魚玉図


充実した点数の陳列と資料は、これまで曖昧にしていた疑問点を解く切り口があったようで、
自分なりに大満足。また一人大好きなアーティストが増えてしまった。


陳列の展開も大掛かりな展覧会でなくてもとても親切で、
流石、細見美術館の妙だろうか・・・。

順路始まってまだ漠然と、自分の見方のペースに入るかどうかくらいで
早くも抱一の屏風に当たる。
うーん。戸惑っていた心中にでっかい釘をうたれたかの衝動は心地よく。
 どうしよう、やっぱちょっとわかんないかも・・・とか疑心がじりじり
してきたところに六曲一双の、けっして大きさの迫力ではない存在感。

細密を基調とした描き込みではなく曲線と陰影が生み出す静と動は
クリーチャーを愛でる包容力で描かれているようで、覚りへ到達した宗教画みたいだ。
本当に美しい。

愛だなぁ。

と、なんだやっぱりこっちの方がいいんじゃないか。と危うい結論に達する際で
雪佳絵画のこれでもかの陳列に合う。
これ、三の丸尚蔵館で応挙の双鶴図と、トリの若冲を並べてしまう野暮とは
まったく異なる。
上げ下げに上手く翻弄されてつつ工芸品へのデザインへ進んで行く。
工芸品だとこんなに素敵なんだよなー。とぶっているうちに、映像資料コーナーに到着。
これがとても助けになった。
自分の中ではモチーフとしての好みが強かったから故に
絵画がピンと来なかった理由が少しみえてきたら、どんどん楽しくなる。
最後の京琳派の意味や、何をしようとしていたのかを知ると、
なんでもこんなに変わって観えて来る楽しさはハマります。
勉強不足で申し訳ない。
時間がとれないかも、と諦めかけてた展覧会だった故に余計得したきぶん。よかった!

蝶千種・海路  百々世草

余談:
細見美術館のミュージアムショップは
散財危険地帯。ミュージアムショップの領域を侵している。
クレジットカード厳禁にしてほしい。

朝顔ワイングラス 赤

何時の間にやら淡交社さんが楽天に出店している・・・。

最近のオキニイリ

日本橋高島屋さんの紙袋
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最近江戸っこかぶれ甚だしく、銀座線でこの紙袋を下げている人を見る度に
次なるステータスを感じておりました。
おそらくこの数年にリニューアルしたデザインかとおもうけど、
かなりのおきにいり。
伊勢丹のグリーンチェック柄もいいけど、江戸っこはやっぱし日本橋の大店でなきゃ。

久しぶりにエレベーターガールの完璧なホスピタリティーに触れ
どぎまぎする。
用も無いのに中途半端な階でおりたりしてしばし楽しむ。

蛇腹のドアーの開閉する音と通り過ぎてくフロアの灯。
エレベーターガールのフロアアナウンスは変に鼻にかかってたりしてなくていい。
各フロアの案内係のキメの細かい気遣い。ああ、デパートって昔はこうだったよな。

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おやくそくの屋上へ出る。
穏やかな空気が子供の頃みたいで、「デパートの屋上」だ。


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めも:ヒペリカム

名前もわからず探していた花がフラワーガーデンの一画に。
公園とかによくある名前の札を探したけど、無い。
そこに、案内のお兄さんが。
なんと、屋上にも案内の人が待機してる。
無理だろうなとか思ったけど、きょろきょろしてる私にwelcomeな視線をくれたので
試しに聞いてみた。
「花の名前なんて聞いても困っちゃいますよね・・・」
と呟いたら、驚く事も無く、「どちらの花ですか?」と聞き返してくれる。
彼の花を指し示すと「それでは、フラワーショップの方に確認して参りますので
少しお待ち頂けますか」とのスマートさ。察しの良さがストレスを感じさせない。
大概の場合こういった突飛な質問て面倒くさいし柔軟な対応なんて望めない。
お客さんだらけで混雑している店でも、逆に、暇過ぎて暇疲れしている店でも
まごまごして相手をアキラメさせるのが常套手段のようになってるけど。

入れ代わって案内してくれたフラワーショップの方への伝達もしっかりされていて
スムーズにいろいろ説明をしてくれた。
先週まではショップでも鉢植えがあったことや手ごろな物を探してくれるとも
申し出てくれた。
当分休日が予定で塞がってしまっていなければ是非頼みたかった。

次回は三越だな。


2006年6月3日土曜日

地球のいのち、flower

[鎌倉][季節]鎌倉鶴岡八幡宮の源平池

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だんだん私の蓮との差がひらいてきた。




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もうすぐ大きな宝珠がみっしりとした朝露を零して真夏の陽を賺す季節がくるんだ。

[うえる][きせつ]本日のはつもの

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まいまいと雨を含んだ服の裾を憶わせても美しい花が、
そろそろ彩をつけはじめた。






6月に咲くのに、雨を想わせない花もある。
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