会期ぎりぎりせーふ。神坂雪佳展へ。
金魚玉図
充実した点数の陳列と資料は、これまで曖昧にしていた疑問点を解く切り口があったようで、
自分なりに大満足。また一人大好きなアーティストが増えてしまった。
陳列の展開も大掛かりな展覧会でなくてもとても親切で、
流石、細見美術館の妙だろうか・・・。
順路始まってまだ漠然と、自分の見方のペースに入るかどうかくらいで
早くも抱一の屏風に当たる。
うーん。戸惑っていた心中にでっかい釘をうたれたかの衝動は心地よく。
どうしよう、やっぱちょっとわかんないかも・・・とか疑心がじりじり
してきたところに六曲一双の、けっして大きさの迫力ではない存在感。
細密を基調とした描き込みではなく曲線と陰影が生み出す静と動は
クリーチャーを愛でる包容力で描かれているようで、覚りへ到達した宗教画みたいだ。
本当に美しい。
愛だなぁ。
と、なんだやっぱりこっちの方がいいんじゃないか。と危うい結論に達する際で
雪佳絵画のこれでもかの陳列に合う。
これ、三の丸尚蔵館で応挙の双鶴図と、トリの若冲を並べてしまう野暮とは
まったく異なる。
上げ下げに上手く翻弄されてつつ工芸品へのデザインへ進んで行く。
工芸品だとこんなに素敵なんだよなー。とぶっているうちに、映像資料コーナーに到着。
これがとても助けになった。
自分の中ではモチーフとしての好みが強かったから故に
絵画がピンと来なかった理由が少しみえてきたら、どんどん楽しくなる。
最後の京琳派の意味や、何をしようとしていたのかを知ると、
なんでもこんなに変わって観えて来る楽しさはハマります。
勉強不足で申し訳ない。
時間がとれないかも、と諦めかけてた展覧会だった故に余計得したきぶん。よかった!
余談:
細見美術館のミュージアムショップは
散財危険地帯。ミュージアムショップの領域を侵している。
クレジットカード厳禁にしてほしい。
何時の間にやら淡交社さんが楽天に出店している・・・。