2006年10月27日金曜日

本日のまったり

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通り一本隔てた喧噪をよそに智積院は別世界の静けさ。
修学旅行や団体さんの午前中の大移動に奔走される東山七条界隈。気が付かれない事これ、幸い。


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金堂や明王殿の堂内へいちいち上がり込んでは通り抜ける秋の風を堪能。
いつまでもいるなら真言のひとつでも唱えろよ、と
不動殿も思われたんではないだろか。
親切にカタカナで札までかかっているってのに。すみません。

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静けさにつられて散策。金堂の北、密厳堂へ。
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行中立ち入り禁止だった・・・。




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名庭でまたもまったり。







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まだまったり。
人が居ないのをいいことに縁側に足を投げ出して池の上をぶらぶらさせてると鯉と亀がよってくる。
誰も居なくても流石に餌はあげらんない。

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もはや、上がり込んで中々帰ってくれないお客さんとなる。




智積院には有名な桃山の障壁画がある。
秀吉がわずか三歳でこの世を去った愛児鶴松のために建立した菩提寺の客殿を飾ったもの。
等伯とその長男久蔵の作品。


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秀吉が愛児を弔う為に建立された寺の障壁画であるとともに、対となる桜図は等伯の長男が24歳で描き上げ直後に夭逝。その後この楓図への制作へ向かった画家の憶いを想像すると楓の大木とそれを取り囲む草花の重なりが本当にせつない。

狩野派を追随し手にした長谷川一門にかかる大きな仕事。
その代償のように失ったものを思うと、桃山時代の荘厳美麗な絵画イメージではなく、
画家のココロが求めたものが存在している。三百年以上を経ても尚。


この等伯の楓図についてはとても興味深いコラムがこの本に。
尊敬する狩野博幸先生のエッセイでございます。
日本の色日本の色