2008年5月10日土曜日

本日の狩野先生
















本日の板書は
オールスターの列挙。
狩野先生の筆だと思うと本人が
目の前に並んだかの緊張感。
Live Adeさながら。
当の本人は相変わらず言いたい放題。
一晩中でも聞いていたいです。






溢れんばかりの愛は1時間半では到底収まりきらず、
それでも火ぶたはきって落とされる。
河鍋暁斎(1831〜89)のバックグラウンドを語るに
近世京都がもたらした文化の深さと遺産の大きさはスペクタクル。

蕪村
渡辺始興
大雅
若冲(1716-1800)
蕭白−−輝一
応挙
芦雪

北斎−−為一(いいつ)−−画狂人
国芳
狩野派
狂斎−−暁斎

この列挙が誇言でもなんでもなく、文化の伝播を確実に担い、
お互いを刺激し合った同士だ。
徂徠学の発生と中国明から流入した陽明学への傾倒。
西の商人の懐が思想を生み、アーティストの視界を広げ、
持ちつ持たれつ巨大化していった近世、江戸の文化。
この遺産の独特な継承が京都がもたらす最大の功績。

これでは箱根より西に踏み入れた事もないという暁斎が
この一切を担がなくてはならないようで気の毒だが、
間に北斎が絡んでいる以上、仕方有るまい。
・・・という図式。

しかし、相変わらずの、先生のさりげなくも隠しきれない
簫白への愛に、私は歯噛みするばかり。
先生、お時間です。


没後120年記念
絵画の冒険者 暁斎 Kyosai―近代へ架ける橋

土曜講座:暁斎のおもしろさ  同志社大学教授 狩野 博幸
■H20. 4. 8(火)〜5. 11(日)
京都国立博物館 特別展示館