2009年9月5日土曜日

萩大名


都離れもいいとこ枯渇し始めているのこのかた、うれしい上方狂言。
しかも千作氏の舞台がこの鎌倉で観れるとは、親戚、地域総動員で是非鑑賞してほしいくらいだ。

しかしながら、周りにはそう言った趣向はおろか、たとえご招待であっても倦厭するような、古典アレルギーばかり。
「何言ってるのかも聞き取れない。などとすっとぼけた事を言い出すていたらく。
反論や説得ももったいないのでほっとく。
こういった無関心と非協力が伝統芸能の衰退を招くんだ。ごめんなさい。
でもB型なのだ。

人間国宝は、たしかにご老体では有るけど声の張りは壮快で、
その安定感は本当に心地よく。

千作氏演ずるところの萩大名。
のんきなかわいらしさに大名の威厳さえもある。
かわいい五郎港の駄々をなだめる太郎冠者と立った二人の掛け合い。
平和なエビソードの展開にがっつりと引き込まれ、一挙手一投足、細かな仕草から目が離せない。

大きな仕掛けや効果装飾の無い舞台の場面に観客の集中力をひきつけるパワー。
笑う事、人を笑わせることへ対する長年培われた経験と知識、
そこから生まれた理論と技術はまさに国宝。

千作氏の公演おっかけがまた始まりそうだ。